水責め

拷問解説

水責め(Water cure )

時代 中世〜

地域 フランス,スペイン,イギリス、その他多数

考 様々な時代、地域で利用されている
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形状と使用方法

この拷問では犠牲者を腹部を反らせた状態で寝かせる台、暴れられないよう手足を縛るロープ、口に水を流し込む漏斗、そして水が使用されました。使用された道具と「水責め」という言葉だけで、どのような拷問なのか想像できてしまいますね。

この拷問にかけられる犠牲者はまず服を脱がされ全裸にさせられました。これは別に水で服が濡れるからなどという理由ではなく、他の拷問でも大抵の場合で服を脱がされます。これは犠牲者に精神的苦痛を与えるためで、予備拷問と呼ばれました。

じゃあなんでこの記事の上にある画像では犠牲者が服を着ているんだという話ですが、おそらく身分の高さが関係していると思われます。上の画像で拷問されているのはド・ブランヴィリエ侯爵夫人(Marie Madeleine Dreux d’Aubray)という名の連続殺人犯です。侯爵の妻、つまり貴族なんですね。

次に、犠牲者は台の上で仰向けに寝かされます。このとき、腹部を反らせることで拷問の効果が上がります。また、犠牲者が暴れられないように手足を縛られました。

準備が終わったら、いよいよ拷問が始まります。鼻を閉じさせ、口に突っ込んだ漏斗から水を流し込みました。そのままでは息ができずに窒息してしまうので犠牲者は水を飲み干すしかありません。が、人間の容量には限界があるので水を飲まされ続ければ胃も腸もパンパンになってしまいます。この拷問では水を飲ませるだけでなく、吐かせることでも犠牲者を苦しめます。水の溜まった腹を押され、飲んだ水が口から逆流するのは苦しいことだったでしょう。

この拷問では水を飲まされ、そして吐かされるという苦痛を与えられます。それだけでも十分苦しいでしょうが、犠牲者を本当に苦しませたのはおそらく体の生理的な変化だったと思われます。

夏バテという現象がありますよね。夏の暑い日、汗を大量にかいているときに水分のみを補給したときになるあれです。あれは血液中のナトリウムが薄くなることで起こる現象ですが、この拷問でも同じことが起こったと考えられます。具体的には以下のような症状が表れます。

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 意識障害

さらにこの状態でも拷問を続けると、体内のナトリウム濃度はさらに致命的なまでに薄くなります。

  • 浮腫
  • 心不全
  • 痙攣
  • 昏睡

結果、これらの症状が表れはじめ、最終的には死に至ってしまうこともあります。もっとも、これは拷問なので死ぬまで続けられることはなかったかもしれませんが、死の一歩手前までは拷問官は水を飲ませることをやめなかったでしょう。

歴史

水を使う拷問には様々なバリエーションがあります。その中で、特に水を飲ませるタイプの拷問は主に異端審問で使用されました。かなり効果があったらしく、様々な国で使用報告があります。特に、拷問が禁じられていたイングランドでよく使われていたというのは注目すべきことでしょう。

この拷問には、かけられた犠牲者が酷い怪我を負ったりするわけではないので外見上は拷問を受けたように見えない、犠牲者を一旦台に縛り付ければ水を飲ませるだけなので楽に拷問できる、流血や骨折などを負わせることがないから不用意に犠牲者を死なせる心配がない、などのメリットがあります。おそらく、これらの性質がイングランドでも使われた理由でしょう。
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