図説・拷問全書
拷問関係の本を読んでいると、よく参考文献として名前を見る本の1つにこの『図説・拷問全書』があります。タイトルからして惹かれるものがある本でしたが、読んでみるとなかなか興味深いものがありました。

どんな本?

この本は大きく4つの章に分けられています。それぞれの章では、拷問の歴史について、犯罪について、拷問について、処刑について解説されています。 拷問全書なのに処刑の項目が入っていますが、この手の本にはよくあることなので気にしてはいけません。 拷問についての情報が欲しかった私としては、拷問の歴史についてと拷問についての章が参考になりました。 また、文章の他にも、タイトルに『図説』と書かれている通り、この本には多くの画像が掲載されています。画像の数だけなら、私が持っている本の中でも一番多いかもしれません。 ただし、その全てが拷問具の写真というわけでは無く、そのほとんどは拷問や処刑が行われている様子が描かれたものでした。 タイトルといえば、この本の名前には全書の文字があります。しかし、この本で扱っている拷問は古代~近世のヨーロッパで行われた拷問のみでした。全書というのは大げさでしたね。 アジアやその他の地域、そして現代の拷問についての情報を期待して読んだら、がっかりしてしまうかもしれません。    

読んだ感想は?

まず最初に言っておかなければならないことがあるのですが、この本を拷問具の解説本だと思って買うのはおすすめしません。 4つの章に分かれている中で拷問についてしっかりと解説しているのはたったの1章ですし、その解説にしてもメジャーな拷問具を数点紹介しているだけでした。 初めて拷問具の解説を見るならば十分に楽しめるかもしれませんが、ある程度拷問についての知識がある人には目新しい情報はないと思います。 逆に、拷問の歴史に対する考察には興味深いものがありました。 神明裁判から続く裁判形式の変遷と、それが廃止される代わりに拷問が台頭したこと。拷問の持つ過剰な残虐性を、当時のヨーロッパに存在すると考えられていた人狼と結び付けていること。 これらの考察は面白いですね。 いずれ、この図書館(サイト)でもこれらの話題をテーマに記事を書きたいと思いますし、そのときは参考にしようと考えています。    

どんな人が読むべき?

ある程度拷問について詳しくなった人にとっては、この本に書かれている情報は見知った物ばかりかもしれません。そういう意味で、この本は入門用と考えて間違いないですね。 これから初めて拷問について知ろうと思う人が、広く浅く知識を得るのに良い本だと思います。 ただし、時代と地域は限定されているのでそこは注意が必要です。日本の拷問についての情報は、この本には無いですからね。