アイロン責め

中世や近世の時代に比べると、現代では拷問の為に使う道具を特注するということはあまり見られなくなりました。理由は様々に考えられますが、その結果として、身近にある道具を拷問具として使用することが多くなったのは間違いありません。スタンガンなどが良い例ですね。元々は護身用の道具なのに拷問に使われるというのは、なんとも皮肉な話です。

今回紹介するアイロン責めは、この「身近なものを使った拷問」の1種です。

 

 

アイロン責めとは

名前を見てわかる通り、アイロン責めとはアイロンを使った拷問です。どう使うのかも簡単に分かりますね。十分に加熱したアイロンを犠牲者の肌に押し付けることが、どれほどの苦痛を生むかは想像に難くないところですから。

この拷問は与える苦痛の大きさという点でも十分に優れていますが、最も優れた点は手軽さにあると言えるでしょう。アイロンはどこでも買うことが出来ますし、コンセントさえあればどんな場所でもこの拷問を行うことが可能です。実際、一般家庭ですら虐待の道具としてアイロンがしばしば使われることがあります。虐待は拷問ではないですが、それほど手軽に行えるということですね。

また、コードレスのアイロンならばコンセントすら不要です。拷問では犠牲者の様々な部位にアイロンを押し付けるということを考えると、コードレスのほうが都合は良いかもしれません。拷問の最中に絡まったら面倒ですからね。

 

 

歴史

アイロン責めが行われた例として、中国で行われた法輪功学習者に対する弾圧と、チベット人に対する迫害が挙げられます。

チベット人についてはともかく、法輪功という言葉を初めて聞いたという人は多いと思います。ただ、法輪功が何か? ということについては、拷問の解説という本筋から外れるので詳細は省かせてください。そういう特定の思想を持つ団体があるということだけ知っていれば問題はないでしょう。(Wikipediaのリンクはこちら)

問題なのは、この団体が巨大になり過ぎた為、当時の中国の元国家主席・江沢民に目をつけられたということです。迫害当時の法輪功信者は7000万人以上にも上ると言われており、これだけの大人数が反乱を起こすかもしれないという状態は、権力者にとって都合が悪かったわけですね。

都合の悪い思想を持つ団体に対して権力者が行う対策は、中世の異端審問の頃から変わらないようで、拷問を用いた思想の撤回が強要されました。ここで使われた拷問の1つがアイロン責めだったわけです。私ならアイロンを向けられただけで思想でも何でも撤回するでしょうが、実際に体に大火傷を負った人々がいたということは、彼らは少なくとも、拷問を受ける前には思想を撤回しなかったということです。すごいことだと思いますよ。

 

思想を守りたい犠牲者と、撤回させたい拷問者。大昔から見られた図式が、20世紀になっても見られるというのは、なんとも悲しいことです。歴史は繰り返すと言いますが、その通りですね。

 

[char no=”4″ char=”証詞レコ”]アイロンの表面温度は最大で200℃にもなるそうです。

肌に触れれば一瞬で火傷してしまうのも納得ですね。[/char]