リッサの鉄棺

拷問解説

このリッサの鉄棺を記事にするかどうかは、非常に悩む問題でした。

と言うのも、この拷問具が実際に使われたらしい気配が一切しないからです。

断言はできませんが、これは架空の拷問具である可能性が高いと思われます。

閉じ込め、圧迫する拷問具

リッサの鉄棺(iron coffin of lissa)とは、犠牲者を圧迫する拷問であると言えるでしょう。

鉄製の棺状の箱と、その蓋を上から押し付ける機構で構成される(と考えられる)拷問具です。

(考えられる)と書いたのは、この拷問具の実物が探しても見つからなかったからです。

なぜ見つからなかった拷問なのに形が分かるのかと言われそうですが、それについては後述します。

構成からわかると思いますが、この拷問具は中に入れた犠牲者を上から圧迫し、押しつぶすと言う拷問具です。

このとき、すぐに押しつぶすなどと言うことはせず、数日間をかけてゆっくりと潰すことで犠牲者に苦痛を与えました。

なぜ見つからなかった拷問なのに(以下略)と言われそうですが、これについても後述します。

この拷問具に関する詳細が一切見つからない

リッサの鉄棺についてネットで検索してみると、意外と多くのサイトがこの拷問について言及していることが分かります。

が、これは実際にそれらのサイトを読んでみれば分かることですが、あまり詳細な情報は得られませんでした。

これは書籍を調べても同じことで、私の知る限りでは

  • 世界史拷問処刑博物館 -桐生操
  • 拷問少女 -ポストメディア編集部

 の2冊に少しの記述があるだけです。

ちなみに、それぞれの本ではこの拷問のことを「リッサの鉄の柩」「リッサの鉄柩」と称していました。

名称もバラバラであるところからも、この拷問具の正体のつかめなさがよく分かります。

2つ(実質1つ)の情報源と疑問

私が調べたところ、リッサの鉄棺に関するおそらくまともであろう情報は以下の2つです。

  • マティス・プールとエリガー・オットマール(M. Pool , O. Elliger)によって描かれた絵
  • オーガスト・ダーレス(August Derleth)によって書かれた『The Coffin Of Lissa』と言う小説

より正確に言えば、おそらく小説の方は絵を題材にして書かれたものだと思われます。

つまり、リッサの鉄棺についての唯一の情報源は絵であると言えるでしょう。

こんな絵です。

この絵を書いたとされるマティス・プールエリガー・オットマールはどちらも17〜18世紀の人物です。なのでこの絵もその時代に描かれたことが分かります。

ただ……この絵、私にはリッサの鉄棺と呼ばれている物を書いているようには見えないんですよね。

まず第一に、この鉄棺と呼ばれているものには見ての通り隙間が多く見られます。

そして何より、犠牲者を圧迫して押しつぶす機構が見つかりません。

右下に蓋のようなものが見えますが、これは形状から推測するに、吊り下げるもののように見えます。

総合すると、私にはこれが吊り篭(ジベット)だと思えるんですよね。

この絵の描かれた背景やモデルなどが分からないので断言はできませんが、しかしこれが圧迫する拷問具でないと言うのは確かだと思います。

世界の処刑と拷問より

拷問の描写は小説が由来

ちなみに、小説の『The Coffin Of Lissa』は『Not At Night!』と言う小説集に収録されています。

リッサの鉄棺により拷問を受ける際の描写は、むしろこちらの内容の方が元ネタとされることが多いように感じます。

リッサの鉄棺は見つからなかった拷問具なのに拷問方法が知られているのは、この小説の描写が原因だと思われます。

興味がある人は読むと良いでしょう。英語ですが。

リッサの鉄棺は勘違いから生まれた拷問具かもしれない

事実がどうなのかは分かりませんが、私にはこのリッサの鉄棺が勘違いから生まれた拷問具であるように思えてなりません。

つまり、マティス・プールエリガー・オットマールが描いた絵から見た目を、オーガスト・ダーレスの小説からその使用方法を寄せ集めた拷問具であると、そう思うわけです。

そんな寄せ集めが実在したかのように勘違いされるなんてことがあるのかと思われそうですが、前例がありますからね

あり得ないことでは無いと思います。