橈骨圧迫麻痺から見た拷問のダメージ論

橈骨圧迫麻痺という疾患を知っていますか? 別名、「ハネムーン麻痺」や「サタデーナイト麻痺」とも呼ばれています。
ふざけた名前だと思われるかもしれませんが、これが中々的を射ていて、実際にハネムーン中やら土曜日の夜やらにこの疾患を発症する患者が多いんだそうです。

この疾患は名前のとおり、「橈骨」を「圧迫」することで「麻痺」を起こしてしまうというものです。ちなみに、橈骨というのは肘と手首の間にある2本のうち太いほうの骨もことです。圧迫と麻痺は読んで字のごとくですね。

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なんでこんな場所を圧迫してしまうのかというと、寝るときの姿勢に原因があります。
つまり、体を横にして眠ることで、自分の体とベッドに挟まれた腕が圧迫され、麻痺を起こすということです。実際、朝起きたら下にしていたほうの腕がしびれていたなんて経験は、誰しも一度くらいはあるんじゃないでしょうか。私はあります。
それとは別にもう1つ原因があるのですが、それは腕枕なんだそうです。恋人同士が腕枕をして寝るなんてのはよくあることですが、頭の置き所が悪いと病院に行く羽目になるわけです。そういうのが大抵土曜日の夜や旅行中に起こるというのが、上で書いたような別名が付いた理由です。
実際、これが原因で病院に来るのは大抵男だ……というのは、病院で働いている人から聞いた話。

なんで急に病気の話なんてし始めたのかと疑問に思うかもしれませんが、もちろん拷問に関係があるからですよ。
この疾患は、人間の頭程度の重さでも、一晩乗せれば神経が痛めることが出来るということを証明しています。神経が痛むと言っても、健康な人なら数ヶ月で自然に治る程度の軽いものですけどね。
しかし、より重いものを、より長時間の乗せたらどうなるでしょう? 一生麻痺が消えない、後遺症が残ってしまうことは十分に起こり得ます。

例えば石とか、
(石抱きの記事を読む)
Ishidaki

身動きを禁じると言う名目で乗せられた重りとか。
(プレスヤードの記事を読む)
push-torture

当然ですが、どちらも人間の頭とは比べ物にならないほど重いです。ということは、麻痺を起こす可能性も高いことを意味します。
さらに言えば、これらの拷問を受けている最中は現代のような治療を受けることは出来ませんし、それどころか拷問というダメージを受け続けることになるわけですから、治るものも治りません。

拷問では直接的な死につながらなくとも、致命的な傷が残ることがあります。
そう考えると、拷問の苦痛というものは単純に肉体へのダメージだけでは測れませんね。
この時代、一生腕が麻痺して動かないなんてのは現代とは比べ物にならないほど大変なことだったでしょうから。
改めて、拷問とは難しいものですね。

余談ですが、橈骨圧迫麻痺の圧迫によるダメージは、細い神経ほど大きくなります。
つまり、腕でいえば手首に近い端の方で起こりやすいということです。
恋人に腕枕をしてもらうときやしてあげるときは、拷問や病院に興味がないなら、頭を乗せる場所はなるべく腕の付け根の方にするのが良いでしょう。